今日の練習お疲れさまでした。今日のブログ担当のくにです。
今日は、男性7人、女性7人で、後半は絶好のミックスダブルス!の所でしたが、近く城南区のレディース団体戦(ダブルス?)に内4人が出るそうで、それに応対した練習風景でした。あと、そめさんが本当に久しぶりに参加されました。最近入会された人には初対面の人もいましたね。最近は城南区の大会などに、城南卓楽会として参加するようになってきています。そめさんは強力な助っ人になりますので、是非お願いしたいところですね。
さて、昨年の10月、ボールとラバーの接触時間について書きました。そのあと、ふと思い立って、接触時間をLEDで見える化する「球持ちテスター」なるのもを試作し、さらに改良して、マイコンボード(アルデュイーノUNOやラズベリーパイPICO)で接触時間を計測してLCDに表示、終いにはスマホと繋いでスマホ側で接触時間をリアルタイムに表示できるまでになりました。
今年に入って、いろいろなラバー(裏ソフト、表ソフト、薄いスポンジ、厚いスポンジ、超柔らかいラージ用、など)を用意し(こぞのえスポーツ春日店の売上に貢献ww)、部屋で気ままに測定していました。結果は、youtube動画卓球「球持ちテスター」を作ってみた~続編Ⅱの概要欄に、5000文字制限いっぱい!記載しております。宜しかったら覗いてみてください(頭がクラクラするかもしれませんww)。
結果を要約しますと、やはり卓球王国の伊藤条太さんのブログの通り、「裏も表も接触時間に違いはない」ことがはっきり分かりました(どちらも1~2ミリ秒辺り)。ただ補足としては、スポンジが厚くなる程、またスポンジが柔らかい程、接触時間が長くなります(これは高校物理の「力積」(力×時間)で説明できます)。あと、衝突速度が速い程、接触時間は短くなります(これはちょっと難しいですが、弾性体の非線形効果に依ります。この辺は川副研究室の論文1論文2論文3で勉強させて頂きました。)
また、密かに期待していた打ち方(当て方)による接触時間の違いですが、普通のミート打ちの範囲では違いはありません。が、ドライブのように斜めすれすれに当てると、1割ほど接触時間が長くなるようです。 ※テニスのトップスピン打ちでも接触時間が少し長くなるそうですが(川副研究室のレポート)、メカニズムは同じなのかどうかよく分かりません。また、ラバー表面にCRC潤滑シリコン塗布し、低摩擦(引っ掛かかりにくい)状態にしても同じでした(1割長い)。斜めすれすれに当てると、衝突速度(のラケット面垂直成分)が小さくなることによる接触時間の伸びとは明らかに異なる現象のようです。でもまあ、1割長い程度ですので、これを人が感覚で捉えて「球持ちが良い」とか言うのではないと思います。
楽器の「共鳴」のように、ボール、ラバー、ラケットの「共鳴」のようなものがあって、そのために接触時間が異様に長くなるようなことがあるのでは?と空想までしてましたが、外れのようですww。[参考]加速器での粒子衝突実験で「共鳴散乱」という現象があり、そのとき「時間の遅れ」というのが生じて、実際少し遅れて粒子が出ていくらしいです!(2023.12.26追記)
「球持ちとは接触時間のこと」と言われています(ネットで検索すると、多くがそう言ってます)。そして、接触時間は変わらないのに、「裏ソフトだから球持ちがいい」とか「表ソフトだから球離れがいい」とか「スポンジ硬いけど球持ちいいよ」と言い、人によって意見が異なることもあります。接触時間が仮に0.数秒とかなら、一目瞭然なんですが、ミリ秒辺りになると、目では分からないので、感覚の要素が入ってくるのでしょう。
そこで、NHKの「チコちゃんに叱られる!」に倣って言うと、
「では、すべての卓球愛好者に問う(テニスも)、球持ちとはいったい何?」
伊藤条太さんはブログの中で「手に感じるラケットの振動(接触時間よりはるかに長い)と音とボールの飛び出す方向からなんとなくそう誤解しているにすぎない」と仰っています。
自分も同感ですが、物理出身の自分としては、皆が実際抱く「球持ち感」にぴったり相応するような物理量に基づくファクターを模索しています。接触時間をベースにするのは妥当として、
「球持ち G = 接触時間 × 何か物理量に基づくファクター」
(GはGripのG、重力定数Gや重力加速度gのようで、流行るかもww)
という形になればと思います。ファクターを無次元とすれば、球持ちGは時間の次元となり、しっくりいきますね。或いはファクターが有次元で、Gが時間と複合した「新たな次元」となっても面白い!
物理量の候補として自分が考えているのは、伊藤条太さんの言う「ボールの飛び出す方向」に密接に関係しますが、「ボールに加わる力と方向(ラケット面垂直成分と平行成分、その比率)」です。ここで平行成分とはラバーの引っ掛かりの摩擦力や引きつれ復元力のこととなります。模索は続きます!!材料力学では、弾性体のせん断力に対する弾性係数である横弾性係数をGで表すそうです!(一方、圧縮・引張に対する弾性係数である縦弾性係数[=よく知られるヤング率]の方はEで表す)。引きつれ復元力はまさしく横弾性の力のことですから、GとG、奇しくも球持ちGとご縁がありそうです。誰かこの辺を一緒にやってくれる人いないかな?(2023.12.21追記)
横弾性係数Gと縦弾性係数(ヤング率)Eとは以下の関係があります。
G=E/[2(1+ν)]
ここで、ν(ニュー)はポアソン比と呼ばれるもので、材料に固有の数値です。式から分かるように(νが分母にあるので)、νが小さい程Gは大きくなります。天然ゴムはν≒0.5、鉄はν≒0.3、コンクリートはν≒0.17です。閃いたのですが、テナジーとか引っ掛かり抜群のラバー(シートの方)はνがとても小さいのではないか?その証拠にシートが脆い(欠け易い)ですもんね。関係ありそうな気がします(2023.12.22追記)
※試作した「球持ちテスター」ですが、これまで「球持ち=接触時間」と信じて、接触時間を測る「球持ちテスター」と命名しておりましたが、差し詰め「接触時間テスター」と改めますww。
では真の「球持ちテスター」は? ラケット面に垂直な力を感知する「感圧センサー」だけでは球持ちは分かりませんで、なにか別のセンサが必要となるでしょう(「剪断力センサー」とか「加速度センサー」とか)。剪断力センサーのメーカのNISSHAに問い合わせましたが、現在の製品の測定の時間的な分解能は3ミリ秒程度とのことで1~2ミリ秒の接触時間における力の計測は難しそうです。分解能の高い製品ができるのを期待します。また他の方式の剪断力センサーも当たってみます。(2023.4.8追記) 尚、My「接触時間テスター」は動画のものから更にバージョンアップしまして、接触中のラケット面に垂直な力の「最大値」と「平均値」、それと「力積」(力の平均値×接触時間)をアバウトですが計測・計算できるようにしております。同様に、もし剪断力センサー等で接触中のラケット面に平行な力の「力積」を算出できるようになると、力積(ベクトル)の垂直成分、平行成分が出揃い、高校物理の「運動量(ベクトル)の変化は力積(ベクトル)に等しい」により、伊藤条太さんの言う「ボールの飛び出す方向」と正確に関係付けられます。(2023.4.13追記)
※衝突によりボールの回転(回転方向、回転数)が変化する(力積の平行成分がそちらにも使われる)ことも考慮に入れないとですね。(IJTTS論文1論文2 、PDXScholar論文3)これは大変だ!!(2023.4.20追記)
自分の蒔いた種で、まさかこんな展開になるとは思ってもいませんでしたww。妻に言われました、「最近、あまりギター弾かないね」と。はい、ギターの方もコンクール(シニアの部)とかの課題があるのですが、いまは「球持ち」のことで頭がいっぱいなんです。